東京電力(株)は、福島第一原子力発電所タービン建屋内に存在する、極めて高い放射性廃液を安定した状態で管理貯蔵するためには、同発電所の集中廃棄物処理施設内に移送することが必要と考え、すでに同処理施設内に溜まっている低レベルの滞留水(約1万トン)と、5・6号機のサブドレンピット(地下水の排水用立て坑)に保管されている低レベルの地下水(延べ1,500トン)を、原子炉等規制法第64条1項に基づく措置として、海洋に放出することを決定した。その後、準備を進め、2011年4月4日午後7時に、集中廃棄物処理施設内に留まっていた低レベル滞留水を海洋に放出するとともに、同日午後9時に、5・6号機のサブドレンピットに留まっていた低レベルの地下水を海洋に放出することとした。なお、この低レベル滞留水等の海洋放出にともなう影響は、近隣の魚類や海藻などを毎日食べ続けると評価した場合、成人の実効放射線量は、年間約0.6mSv(ミリシーベルト)と評価され、これは、一般公衆が自然界から受ける年間線量(2.4mSv)の4分の1という。