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 日本海洋学会、福島第一原発事故に関する海洋汚染調査における放射能分析の高感度化を提案

発表日:2011.07.25


  日本海洋学会は、福島第一原子力発電所事故に関する海洋汚染調査における放射能分析の高感度化を提案した。現在、各機関が実施し、文部科学省が取りまとめて公表している海域モニタリングでは、5月以降の沖合海域のデータの大多数がN.D.(検出限界以下)とされている。しかし、同学会によれば、これは緊急時の簡易法(検出限界が数Bq/Lレベル)を用いているためであり、不検出として発表されている数Bq/Lのセシウム137が含まれる海水であっても、特定の種類の魚介類が十分長い時間生息すれば、生体組織に数百Bq/kgのセシウム137が蓄積される可能性があるという。同学会では、魚介類における放射性セシウムの暫定規制値が500Bq/kgであることを考慮すれば、数Bq/Lレベルの放射能で汚染された海水の拡がり方に関する情報は極めて重要であると指摘。その上で、検出限界がmBq/L以下のレベルとなる高感度な分析手法は、事故前の海洋放射能研究や、事故後の研究機関による海域調査等で採用されており、政府が行うモニタリングにおいても、高感度な分析手法を導入すべきであるとしている。

情報源 日本海洋学会 福島第一原子力発電所事故に関する海洋汚染調査について(提言)
機関 日本海洋学会
分野 地球環境
健康・化学物質
水・土壌環境
キーワード モニタリング | 海洋汚染 | 文部科学省 | 魚介類 | 提言 | 放射能 | セシウム | 日本海洋学会 | 検出限界 | 高感度
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