帝人(株)は、日本下水道事業団と共同で、都市下水を対象とする「多段型生物処理装置」を用いた省エネ型下水処理技術の有用性を実証したと発表した。この処理装置は、生物反応槽を多段に区切り、各槽で食物連鎖を段階的に進めることにより、汚泥の発生を抑え、省エネ・低コストを実現するもの。同社らは、2010年までの約1年半にわたり、最初沈澱池からの流出水を同装置で処理するパイロット試験を実施し、従来の標準活性汚泥法に比べ、余剰汚泥発生量を87%、電力使用量を8%削減(汚泥処理分を含む)できることを確認。さらに、その後2011年2月までに実施したパイロット試験では、小規模下水処理場で採用例の多いOD(オキシデーションディッチ)法と同様に、最初沈澱池を省略した処理フローを検証した。その結果、OD法と比べて、余剰汚泥発生量を78%、電力使用量を12%削減(汚泥処理分を含む)できるとともに、水質指標の一つである炭素系BOD15mg/Lを安定的に達成でき、赤潮やアオコ発生の原因となる汚水中の窒素成分をガス化して除去できることを確認したという。
情報源 |
帝人(株) ニュースリリース
|
---|---|
機関 | 帝人(株) |
分野 |
水・土壌環境 |
キーワード | 下水処理 | BOD | 下水汚泥 | 帝人 | 活性汚泥法 | 食物連鎖 | 日本下水道事業団 | 多段型生物処理装置 | OD法 | 最初沈殿池 |
関連ニュース |
|