環境省は、平成23年度風力発電施設の騒音・低周波音に関する検討調査業務報告書を公表した。同省では、平成24年10月より風力発電施設が環境影響評価法の対象事業として追加されることを受け、適切な評価手法や予測手法の整備について検討を行ってきた。今回公表した報告書は、風力発電施設から発生する騒音・低周波音を、調査・予測・評価するための手法等について、(公社)日本騒音制御工学会の検討会で暫定的にとりまとめたもの。その結果、調査手法については、低周波音の測定に対応した防風スクリーンの開発なども行われ、おおむね課題は解決されていた。また、予測手法については、ISO規格に基づく手法やNEDOが示した手法が採用されている例が多かった。さらに、評価手法については、騒音・低周波音による直接的な生理的影響があるという明確な証拠は認められていないが、アノイアンス(不快感)については、調査・検討の必要性が認められた。同報告書は今後、環境影響評価の手続や主務省令の解説等のために経済産業省が作成する手引書の中で活用されることとなるという。