国土交通省下水道部は、「下水道膜処理技術会議」を設置した。この会議は、下水処理の高度化や老朽化した処理施設の改築等のためのコア技術として期待されている膜処理技術について、最新の知見を収集整理し、膜処理技術と他の技術の組み合わせによる最適システムの検討を行うとともに、地方公共団体に対する技術的な支援を行うためのガイドラインをとりまとめることを目的とするもの。これまで、わが国の下水道分野においては、膜処理技術は一部の再利用用途以外に適用されていなかったが、近年、膜技術の発展に伴う膜価格の低下により、本格的な下水処理への適用が現実的な選択肢となり、膜分離活性汚泥法の実用化が進められている。同省によると、現在、比較的小規模な下水処理場10箇所程度で稼働中であり、今後は、特に大・中規模下水処理場の改築への適用も含めて、本格的な膜処理技術の普及を図ることが必要という。