北と南のメダカ、産卵数の違いを決める遺伝子見つかる
発表日:2024.12.04
琉球大学総合技術部の藤本技術職員らは、青森と沖縄のメダカ産卵数を決定する遺伝子に関する新知見を発表した。──近年、同じ種の中での個体間の繁殖力の違いを説明する遺伝子が特定されつつあるが、それが「異なる種間での繁殖力の違い」を説明し得るか否か判然としていなかった。研究チームは、キタノメダカ(青森)とミナミメダカ(沖縄)の野外での産卵状況を比較し、青森のメスは繁殖期間が短いが一腹の産卵数が多いことを確認した。こうした繁殖様式の違いは、温度の季節変化など高緯度環境への適応進化を示していると考えられた。──他の動物でも緯度に沿った繁殖様式の変異が広く知られているため、今回の研究結果は他の生物種にも応用可能である。さらに、遺伝子の違いが繁殖特性に与える影響を詳細に解明することで、生物の進化や適応のメカニズムをより深く理解することが期待される。