アメリカ環境保護庁(EPA)は、国内で、気候変動が人間の健康、福祉及び地域コミュニティに及ぼす可能性のある影響についてまとめた報告書を発表した。これは、2002年に設置されたアメリカ気候変動科学プログラム(CCSP)の委託を受けた21件の評価報告書の1つで、EPA研究開発局の地球環境変化研究プログラムが作成したものである。今回の報告書「気候変動による人間の健康、福祉及びヒューマンシステムへの影響分析」では、異常気象等の気候変動による影響や課題、また、地域コミュニティや特定の人々(高齢者、貧困者、子ども、慢性疾患患者等)に著しい影響が及ぶ可能性を検討。ただし、アメリカでは公衆衛生インフラと、大気や水を保護する環境プログラムが充実しており、こうした影響を最小限に抑えるのに役立つとしている。報告書では、変化する気候に対処するための適応戦略、データと知識の差を埋める短期・長期の研究目標も提示されている。