海水温上昇が植物プランクトン内部の化学物質循環に直接影響し、CO2、窒素、リンの自然の循環を乱すという研究結果を、イギリスのイーストアングリア大学等の研究チームが報告した。研究では、世界の海水温や多数のプランクトンのDNA配列、生化学データを取り入れた地球生態系モデルを作成し、微細藻類などの植物プランクトンを調査した。その結果、海洋微細藻類の化学物質循環に、海水温が栄養や光と同じくらい重要な役割を果たしていることが判明したという。海水温が上昇すると、微細藻類のリボソームの数が減少する。リボソームはリンを多く含むため、これが減少すると窒素/リン比が上昇、海中での窒素需要が増大する。結果的に、大気中の窒素を固定する藍藻類の比率上昇につながるとみられる。研究チームは、従来、地球温暖化で植物プランクトン群落の多様性や生産性が変化することはわかっていたが、海水温の上昇が海中の植物プランクトン内部の化学物質循環に直接影響することが初めて判明したとしている。
情報源 | イギリス自然環境研究会議(NERC) プレスリリース |
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国・地域 | イギリス |
機関 | イギリス自然環境研究会議(NERC) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | CO2 | 物質循環 | リン | イギリス自然環境研究会議 | NERC | 海水温 | 窒素 | 微細藻類 | 植物プランクトン |
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