ガス田の地下水層で、CO2が数百万年にわたり安全に貯留されてきたことを示す研究結果が公表された。これは、マンチェスター大学のバレンティン教授率いる国際研究チームによるもので、研究成果は2009年4月1日号の「ネイチャー」誌に発表された。これまで、地中のCO2は地下水や岩石中に閉じ込められるとされ、コンピューターモデルによるシミュレーションも実施されてきたが、こうした予測を支える実地研究は無かった。今回の研究では、2種類の特殊技術を駆使し、北アメリカ、中国、ヨーロッパの9ヶ所のガス田で、CO2の安定同位体比とヘリウムやネオン等の希ガスの割合を計測。これらのガス田の地下水がCO2の主な吸収源であり、数百万年にわたってCO2を貯留してきたことを明らかにした。バレンティン教授は、さらに、「この新しい手法は、石炭火力発電所から回収したCO2を地中に抽入した場所で、モニタリングや追跡を行うのにも不可欠であり、将来にわたって地下貯留の安全性を立証するためにも重要だ」と期待を寄せている。