アメリカ環境保護庁(EPA)は、温室効果ガス排出量及び吸収量インベントリ報告書1990-2012を発表した。今年で19回目となるこの報告書によると、2012年の温室効果ガス6種(CO2、メタン、N2O、HFC類、PFC類、SF6)の総排出量は、CO2換算で約65億2600万トンとなり、前年比で3.4%、2005年比で10%、それぞれ減少したという。2011-2012年の減少には、アメリカ経済全部門にわたるエネルギー消費量の減少、特に石炭から天然ガスに燃料を転換した発電や、燃料効率を高めた輸送部門等が貢献している。気候変動の主な原因となる温室効果ガス排出削減のため、EPAはオバマ大統領の気候行動計画(CAP)の下、自動車や小型トラックの燃費向上に取組んでおり、2012~2015年モデル車の燃費向上は耐用年数全体で総額1兆7000億ドル以上のコスト節約に相当するという。同報告書は、1990年から毎年更新され、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に提出されている。