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 アメリカの生態学者ら、河川の窒素・リン汚染は、水生生物に必要な炭素量を減少させると発表

発表日:2015.03.05


  アメリカの生態学者らの研究チームは、栄養塩(窒素・リン)による河川の汚染が、周辺の森林に由来する炭素源の分解を加速し、水中の生物に必要な炭素の減少を招く可能性があるとの研究成果を発表した。河川には周辺の森林からの落ち葉や小枝などが多く流れ込み、それらから生じる炭素は河川の微生物や昆虫などにとって重要な栄養分となっている。一方、窒素やリンによる水質汚染は、森林伐採や都市化など土地利用の変化によって、アメリカをはじめ世界中で広がっている。同チームは、窒素とリンを複数の河川に継続的に加える実験を行い、これらが河川食物網に及ぼす影響を調査した。その結果、これらの過剰な供給によって河川の落ち葉や小枝の滞留時間および炭素量が半減することがわかったという。これまで、リンなどが藻類の大量発生を引き起こすことは知られていたが、森林由来の炭素に及ぼす影響についてはわかっていなかった。生態学者らは、「この研究で河川における栄養塩の影響についてより完全な全体像が示せた。栄養塩汚染軽減を目指す政策への反映を期待している」としている。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 水・土壌環境 環境総合
キーワード アメリカ国立科学財団 | NSF | リン | 河川 | 水生生物 | 栄養塩 | 窒素 | 水質汚染 | 生態学 | 炭素量
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