アメリカエネルギー省(DOE)は、国内の水力発電の規模や変動性のデータをまとめた初めての報告書「2014年水力発電市場報告書」を公表した。これによれば、水力発電産業の成長は著しく、現在、国内の電力供給量の7%を占めるに至った。一方で再生可能エネルギーとして毎年2億トンの炭素排出を回避している。水力発電には過去10年間で60億ドル超の投資が行われ、サプライチェーンは38州に拡大し、170を超える企業が水力発電の主要6部品(タービン、発電機など)を製造している。水力発電は、安定した再生可能エネルギー源としてほぼ全州で長く電力を供給してきたが、現在ではさらに、短期の電力需要増にも対応するなど、国の送電網に柔軟性をもたせる重要な役割を果たしている。現在、計画または開発中の揚水発電プロジェクトは50件を超え、この柔軟性をさらに広げると見込まれる。さらに報告書は独自の分析により、アメリカにはまだ77ギガワット以上の潜在的水力発電資源が活用されずに残っていることも指摘している。