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 国際科学者チーム、中国の実際のCO2排出量は推定値より少ないと報告

発表日:2015.08.20


  中国科学院上海高等研究院(SARI)やハーバード大学の科学者らによる研究チームが、近年の中国の実際のCO2排出量は推定値より少ないとする研究結果を発表した。研究チームは、中国の炭素排出量を、エネルギー消費量とクリンカー(セメントの中間製品)生産量の最新データ、中国石炭の実測排出係数を用いて再評価した。石炭のデータは中国各地から集めた700以上の石炭試料の実際の測定と分析に基づくもので、消費量は、従来のエネルギー消費量データに頼らず、国内の燃料生産量や国際取引量などの収支から算出したという。その結果、中国の2013年のCO2排出量は、IPCCが排出量基準値として採用した世界大気研究用排出量データベース(EDGAR)の値より14%少なかったという。中国の石炭を燃焼させて発生するCO2の推定量は、IPCCの値より約40%少ない。SARIの研究者は、「中国の石炭の発熱量が低いことは、全体的に品質が低く灰分が多いことを示している。石炭に含まれる炭素は先進国や世界の平均と比べるとかなり低く、したがってCO2排出量も少ない」と説明している。

情報源 中国科学院(CAS) プレスリリース
国・地域 中国
機関 中国科学院(CAS)
分野 地球環境 環境総合
キーワード 石炭 | 排出係数 | CO2排出量 | 中国科学院 | CAS | 炭素 | エネルギー消費量 | ハーバード大学
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