欧州環境庁(EEA)は、資源効率の高い都市の在り方とその実現方法を検討した3つの報告書を公表した。現在、世界の半数以上の人々が都市で生活している。都市では人々の生活や活動を維持するためにさまざまな資源が使用されているが、その使用後に残る廃棄物や大気汚染物質が環境へと放出され、健康や環境に深刻な影響を及ぼしている。都市の資源効率を高めることが、こうした影響を緩和するだけでなく、環境に配慮した循環経済への移行を促進するという。3つの報告書では、都市の資源効率を高めることの重要性、分野や規模別の解決策、資源効率の高い都市への移行を達成するためのガバナンス、意思決定過程への社会の参加方法などを分析し、都市の資源効率と持続可能性を高めるためには、エネルギー、住宅、交通など都市システムのさまざまな構成要素の変革を同時に行い、コンパクトシティやグリーンインフラを推進する必要があると指摘。さらに、ガバナンス機構全体にわたる構想と戦略を整合させ、各都市の特性に合わせた取組が必要であるとしている。