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 OECD、家庭ごみに含まれるナノ材料の健康と生態系への影響について緊急の研究が必要と警告

発表日:2016.02.22


  経済協力開発機構(OECD)は、家庭ごみを通じて環境に排出されるナノ材料が人の健康や生態系に及ぼす影響について緊急の研究が必要であるとの報告書を公表した。100万分の1ミリというナノ材料の特性を活かした製品は車のタイヤやテニスラケット、防臭剤など1300種類以上に及び、2006~2011年に5倍に急増したという。一方、ナノ材料は皮膚や細胞に浸透しやすく、肺の発癌性や神経系への毒性、抗菌性による生態系へのダメージ等のリスクが懸念されている。現在、ナノ材料を含む廃棄物は、通常のごみと共に埋立地や焼却炉、下水処理場に送られ、特別な対策は施されていない。このためナノ材料は、下水汚泥を利用した農業用肥料や、処理場の排水が流出する河川や湖、リサイクル品にも残留している。最も懸念されるのは下水汚泥肥料中のナノ材料で、土壌中での変化や影響等の詳細な研究はなされていないという。報告書では、廃棄経路に入るナノ材料の種類と量や残留するナノ材料の影響等の研究、及びリサイクル施設の作業者の安全対策強化の必要性を指摘している。

情報源 経済協力開発機構(OECD) プレスリリース
国・地域 国際機関
機関 経済協力開発機構(OECD)
分野 ごみ・リサイクル 健康・化学物質
キーワード 生態系 | OECD | リサイクル | 下水汚泥 | 廃棄物 | 経済協力開発機構 | 健康影響 | ナノ材料 | 家庭ごみ
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