生物多様性条約(CBD)は、第13回締約国会議(於メキシコ・カンクン)に先立つ閣僚級会合で、生物多様性の保全と持続可能な利用を農林水産業や観光業において主流化し、愛知目標等の達成に向けた取組を強化するカンクン宣言が採択されたと報告した。会合には環境・農林水産・観光の担当大臣が出席し、1)農業では、環境保護と農業の持続性・収益性の面で主流化と政策の一貫性向上が重要と認識、2)観光では、観光開発が生態系等に及ぼす悪影響を軽減しつつ、保全資金の調達や自然価値の意識向上に観光業を活用することの重要性を協議、3)漁業では、乱獲対策の調整における地域漁業機関の役割を強調、4)林業では、主流化に向けた技術的能力や利害関係者間での連携強化等の必要性を指摘した。各国大臣は野心的な約束を表明してカンクン宣言を支持した。例えば、生物多様性が極めて豊かなグアテマラ等は200以上の優先行動の実施を約束、フランス等はサンゴ礁とその生態系保護のための様々な具体策を決定、オランダ等は花粉媒介生物の保護を目的とした連合の創設を発表した。