生物多様性条約(CBD)事務局は、観光が生物多様性に及ぼす影響の重大性をふまえ、生物多様性に配慮した持続可能な観光と管理に関するガイドラインを示す、実践的で使いやすい新マニュアルを発表した。このマニュアルは、CBD事務局が編集した締約国等の経験とCBD‐COP11・12の決議に基づき作成されたもので、管理面を重視し、持続可能な観光開発と管理の手法・経験を広い視野でとらえており、2007年に発表された、より専門的なユーザー用マニュアルを補完するものとなっている。作成にあたり、CBD事務局・国連世界観光機関(UNWTO)等と世界各地の約140人の専門家が協力し、持続可能な観光開発とCBDの課題との関連における最新の動向と今後の課題・機会を特定しており、持続可能な観光のための革新的ツールとして利用できるよう意図したという。UNWTOは、同マニュアルは生物多様性損失の阻止を目指すだけでなく、十億人を超す国際観光客に、持続可能な観光商品を選択するよう促す膨大なチャンスに着目したものでもあるとしている。