REN21(21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク)は、「自然エネルギー世界白書2018」を公表した。それによると、再生可能エネルギー利用の発電は2017年の新設発電容量の70%を占め、前年比約9%増で過去最大の増加となった。新設への投資額は、化石燃料・原子力施設新設への投資額の2倍を超えた。だが、熱利用・運輸部門での利用は低迷を続けている。2015年に世界の熱消費における近代的再生可能エネルギー利用は約10%である一方、環境負荷の大きい薪炭等伝統的バイオマスは約16%を占めた。2017年に乗用電気自動車は120万台販売されたが、運輸部門の再生可能エネルギーの利用は約3%で、その90%以上がバイオ燃料である。熱利用・運輸部門の再生可能エネルギー利用目標をもつ国は、電力部門の目標をもつ国の3分の1足らずである。パリ協定の1.5℃目標達成のために、全部門の利用拡大の加速、化石燃料や原子力への補助金の廃止、インフラ投資、熱利用・運輸部門の政策立案が必要とされている。