フィンランド環境研究所(SYKE)は、国内の400種類近くの生息地の状態を評価し、その約半数が危機的な状態にあると報告した。57種類の生息地は「極めて危機的な状態(CR)」にあり、うち40は牧草地や混牧林地など半自然ビオトープだった。森林生息地も危機的な生息地が多く、反対に危機的な生息地が最も少なかったのは陸水、バルト海、岩地だった。地域的には、同国南部で危機的な状態の生息地は59%で、北部では32%だった。多くの生息地の状態は悪化しており、原因としては、林業、建設、農地開拓などがあげられる。気候変動の脅威に晒されている山岳地帯の雪原も極めて危機的な状態(CR)に分類された。この調査では生態系を対象としたIUCNレッドリストを用い、生息地の質と量の変化を評価した。過去50年間以上の変化を分析し、各生息地の傾向を改善、安定、悪化の3つに分類し、将来の変化を予測した。結果をもとに、土地利用計画や自然資源の利用で危機的な生息地を考慮する70の措置が提案されている。