海外ニュース


 中国科学院、優れたリチウムイオン電池用電極の設計・合成に成功

発表日:2009.08.20


  リチウムイオン電池(LIB)用電極の優れた素材として、ナノ多孔質炭素マトリックスの中にリン酸鉄リチウム粒子を組み込んだナノ化合物の設計・合成に、中国科学院(CAS)の研究者が成功し、成果がAdvanced Materials誌に掲載された。LIBは携帯電話等に広く利用されているが、電気自動車等の電源としては寿命の長さや電力密度の高さが課題。その電極の素材として、コバルト酸リチウムと比べ、オリビン構造のリン酸鉄リチウムは、理論上、容量が大きく、安全性、環境面でも優れ、価格も安く魅力的だが、機能性や電荷移動性等が問題だった。今回、開発されたナノ化合物は、リチウム拡散の距離・時間を縮小し、電力容量を改善する、多孔質炭素マトリックスの穴が電解質の貯蔵庫として機能し、充放電が迅速になる等の特徴がある。スーパーキャパシタ並みに約16秒で充電や放電が可能だが、エネルギー密度はさらに高い。充放電サイクル性能でも優れ、700回充放電を繰り返しても容量の減少は3%以下だった。

情報源 中国科学院(CAS) プレスリリース
国・地域 中国
機関 中国科学院(CAS)
分野 地球環境
キーワード リチウムイオン電池 | 電気自動車 | 電極 | 中国科学院 | CAS | リン酸鉄リチウム | ナノテクノロジー | 充放電
関連ニュース

関連する環境技術