アメリカ環境保護庁(EPA)は、オバマ政権のクリーンパワープラン(CPP)に代わるアフォーダブルクリーンエナジー(ACE)ルール最終版を発表した。ACEルールは、州政府が石炭火力発電所のCO2排出規制計画を作成するためのガイドラインで、州政府の独自の計画策定に規制的根拠を与える。CPPと異なり、排出削減ベストシステム(BSER)の構成要素を熱効率改善のみとし、残存耐用年数等を考慮して基準を設定できる。大気浄化法(CAA)の範囲内で、排出の削減とともに安価で信頼性の高い多様な電力の供給を可能にする。完全に実施されると、2030年には、電力部門のCO2排出は2005年比で35%削減され、ルール順守コストを差引いた国内気候便益と健康共同便益の合計は年1億2000万ドル~7億3000万ドルになるという。CO2の2030年の削減見通しを1100万米トン(米トンは約0.9トン)、SO2は5700トン、NOXは7100トン、PM2.5は400トン、水銀は59ポンドとしている。官報登載の60日後に発効する。