アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、2018年は高潮洪水発生日数が過去最高に並び、2019年もさらに増加するとの報告書を公表した。ここでいう高潮洪水は、気候変動に伴う海面上昇や地盤沈下、天然の防潮壁の減少により、暴風やハリケーンが起こらなくても発生して、道路の閉鎖など国民生活に支障を来す洪水である。「生活妨害洪水」や「晴天洪水」とも呼ばれ、アメリカの沿岸部で近年増加している。報告書によると、2018年は全国の高潮洪水平均発生日数は5日で2015年の最高記録に並んだ。また、98の観測地点中、40地点以上で高潮洪水の発生率が急増、25地点でも緩やかに増加しており、今後多くの地域で高潮洪水が増加するという。2019年はエルニーニョと海面上昇により高潮洪水がさらに増加し、全国の平均発生日数は2000年と比べ倍増、大西洋北東部は140%、南東部は190%、メキシコ湾西部は130%に増加すると予想される。さらに、長期予測によると、全国の平均発生日数は2030年には7~15日に、2050年には25~75日に増加するという。