オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)は、2019年7月23~28日に記録的な猛暑となった同国の死者数が同じ時期の平均より約400人多く、増えたのは主に75歳以上の高齢者だったと報告した。高齢者や慢性疾患のある人は、臓器の働きが不十分で喉の渇きや発汗が低下するため、暑さの影響を受けやすい。今回は、猛暑の前が比較的涼しく体が暑さに慣れる期間が短かったこと、高温時に深刻なスモッグが発生したことも重なり、健康への悪影響が高まったという。この猛暑にあたり、オランダ王立気象研究所(KNMI)は2番目に高い気象警報を発令。7月25日に同国の75年前の高温記録を破る40.7℃を北ブラバント州のギルゼ・レイエンで観測した。RIVMは「国家高温計画」を実行、高齢・慢性疾患・肥満の人や乳児などリスクの高い人々に対し、冷却や水分補給など注意を払うよう医療施設や介護者に呼びかけている。近年、猛暑のリスクや対処の必要性について認識が高まるなか、地域レベルで高温時の対処を最適化する取決めを設けることが重要だという。