生物多様性条約事務局は、海洋酸性化が海の生物多様性に及ぼす影響について研究した報告書を公表した。この報告書は、国連環境計画の世界保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)との協力で策定されたもの。報告書によると、海洋は、化石燃料の燃焼など人間活動に伴って大気中に排出されるCO2の約4分の1を吸収している。その一方で、CO2の吸収によって海洋の化学的なバランスが変化して酸性化が進み、2050年には、海洋の酸性度が150%も上昇するおそれがあるという予測が示された。こうした酸性度の急激な上昇は、過去2000万年の間に起こった酸性化の100倍ものスピードで進行するため、生物のシステムの中で、進化しながら適応する時間はほとんどないと見られる。生物多様性条約のジョグラフ事務局長は、数万年というスケールで生じる海洋の酸性化は取り返しがつかず、海洋生態系への大きな被害を食い止めることができるのは、地球規模でのCO2の急速な削減だけである、と早急に対策を講じる必要性を強調した。
情報源 | 生物多様性条約(CBD)事務局 プレスリリース(PDF) |
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国・地域 | 国際機関 |
機関 | 生物多様性条約(CBD)事務局 |
分野 | 地球環境 水・土壌環境 |
キーワード | CO2 | 生物多様性 | モニタリング | 生態系 | 化石燃料 | 国連環境計画 | UNEP | 生物多様性条約 | CBD | 海洋酸性化 |
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