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 アメリカ航空宇宙局、温暖化する海がグリーンランドの氷河後退を加速させていると報告

発表日:2021.01.26


  アメリカ航空宇宙局(NASA)は、温暖化した沿岸水がグリーンランドのフィヨルドに入り込み氷河にどのような影響を与えているかを初めて定量化したと報告した。226の氷河を調査した結果、水深が深いフィヨルドにある74の氷河の融解が1992~2017年の間にグリーンランドから失われた氷の半分近くを占めていた。これらの氷河では、フィヨルドの底にある塩分を含んだ暖かい水の層が氷河の底を溶かして氷河先端を砕けさせてしまう「アンダーカット効果」を顕著に示していた。深いフィヨルドの大きな氷河ほど氷河の後退速度が早いのに対して、浅いフィヨルドにある51の氷河の後退速度は遅かった。氷河や雪が解けた水が氷河の下へ流れ込むと、フィヨルドの底でより暖かく塩分を含んだ海水とぶつかるが、この水は塩水よりも軽いため上昇し、その過程で暖かい海水も上昇させて氷河先端の氷を解かすことになる。これらの効果を考慮しなければ、氷河の減少を2倍以上過小評価する可能性がある。

情報源 アメリカ航空宇宙局(NASA)ニュース NASAのOceans Melting Greenland (OMG)ミッションページ
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ航空宇宙局(NASA)
分野 地球環境 自然環境
キーワード 氷河 | グリーンランド | 温暖化 | アメリカ航空宇宙局 | 沿岸水 | 氷河後退 | アンダーカット効果 | フィヨルド
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