国立科学財団(NSF)が助成した研究によると、山火事によって放出される粒子の化学的な変質が、大気中でより広範な雲の形成と激しい嵐の発生につながることが明らかになった。同研究では、さまざまな種類の植物を燃焼させて煙の中に放出された粒子を分析すると共に、これらの粒子が大気中でどのように変質していくかをシミュレーションした。その結果、山火事によって氷晶核として働く粒子が大量に放出されて時間とともに化学的に変質すると、雲がより広範囲に形成されることが分かった。草木などのバイオマスを燃やしたときに放出された新しい粒子が氷晶核の生成に影響を与えることは広く知られていたが、これらの粒子が大気中を何週間も移動し、化学的に変質したときにどのような影響を与えるかについては分かっていなかった。このような影響を理解することは、地球の気候を正確にモデル化するのに役立ち、今後どのように気候が変化していくかを知るための鍵となる。