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 世界気象機関、南極大陸で観測された過去最高気温を検証

発表日:2021.07.01


  世界気象機関(WMO)は、エスペランサ観測基地で2020年2月6日に観測された、南極大陸における過去最高気温(18.3℃)を認定したと発表した。同機関は当時の気象状況について詳細な調査と検証を実施したところ、当時この地域を覆っていた大きな高気圧がフェーン現象を作り出し、局所的な温暖化が引き起こされたと結論付けた。この気象状況に関連して、同年2月9日にはシーモア島で更に高い気温(20.75℃)が報告された。しかしながら、エスペランサ観測基地でのデータには問題が発見されなかった一方で、シーモア島のデータについては、一時的に設置していた放射シールドの問題によって熱バイアス誤差が含まれていることが判明し、公式な気象観測値として無効となった。気象観測値に絶対的な精度をもたらすためには機器のメンテナンス、設置場所、種類など、メディアや一般の人々には評価されにくく、調査に時間のかかる多くの要素に細心の注意を払う必要がある。今回の事例は、メディアへの情報発信には慎重であるべきという重要な教訓をもたらした。

情報源 世界気象機関(WMO)プレスリリース
国・地域 国際機関
機関 世界気象機関(WMO)
分野 地球環境
キーワード 世界気象機関 | 南極大陸 | フェーン現象 | エスペランサ観測基地 | 過去最高気温 | 高気圧 | シーモア島
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