中国科学院(CAS)は、同国で、世界初となる100MW級の先進的圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)施設が発電グリッドへの接続に成功し、商業運転を開始する準備が整ったことを発表した。同院の工程熱物理研究所が技術開発した世界最大かつ最も効率の高いCAES発電所は、年間1億3,200万kWh以上を発電し、電力消費のピーク時に4万~6万世帯の電力を賄うことができ、年間42,000トンの石炭を節約し、109,000トンの二酸化炭素排出を削減することが可能である。CAESは大容量、低コスト、長寿命、安全、環境にやさしいなどの利点があり、大規模なエネルギー貯蔵技術として有望視されているが、化石燃料への依存、システム効率の低さなどから、その普及には限界がある。同研究所の開発チームが開発したシステムは、人工空気貯蔵容器の活用によりエネルギー貯蔵密度を向上させて大型ガス貯蔵施設への依存を、また、圧縮熱の再利用により化石燃料への依存を低減し、システム最適化などにより、システム効率を向上させた。