アイスランド政府は、同国で開催した北極サークル総会にて、議長である同国前大統領が行った冒頭演説の内容を紹介した。北極圏はグリーンテクノロジーへの投資の増加、グリーンソリューションの出現など目覚ましい発展が見られる一方、課題もかつてないほど大きくなっている。同国東部で発生した暴風雨は数百本の木を根こそぎなぎ倒し、氷河は後退し、永久凍土は溶け、暑さの記録は更新され、森林は燃え続けている。こうした現象は生態系が繊細で資源が豊富な北極圏でより速く起こっていて、その豊かな資源はすべてを利用されるべきではない。同国は排他的経済水域での石油探査のライセンスを発行しないことを宣言し、グリーンランドは北極圏で石油掘削を行わないという決定を下した。同総会にはノルウェーの皇太子、カナダの総督、グリーンランドの首相などが参加し、同国前大統領はアメリカの北極担当大使を任命する意向に感謝した。明確で透明性のある政策と強力な国際機構は、北極圏外交をうまく機能させるための中心的な要素である。