中国科学院の水生生物学研究所(IHB)らによって実施された「富栄養化プロセスとシアノバクテリア大発生のメカニズムに関する研究」プロジェクトが、2009年環境保護科学技術賞の最優秀賞を受賞した。プロジェクトチームでは、5年間をかけて、浅い湖で、地質学的・生物学的・化学的な循環系や富栄養化のプロセス、シアノバクテリアの大発生について、体系的な研究を実施。中国における湖の富栄養化プロセスを理論的に説明し、シアノバクテリアが大発生するメカニズムを明らかにした。また、浅い湖の生態学的な修復に関する理論を発展させ、富栄養化を管理する主な技術開発の理論的な基礎を構築した。さらに、「生態系の健全性」に関するガイドラインに基づいて、湖沼や灌漑地域で持続可能な開発を目指すための原則を提案。湖沼等の地域的な管理や計画づくりの参考になると期待される。また、シアノバクテリアの大発生を管理するための理論を取りまとめ、湖の分類や立地、1年間の様々な段階に応じた科学的な参考資料を提供している。