2010年9月3日、中国の北京で開催された第33回「海の平和」会議で、参加した海洋科学者らが、海洋生物の保護を呼びかけた。中国科学院の研究者は、「サンゴ礁やマングローブなど海洋生物の生態系は、沖合いの無計画な開発の影響を受けている。乱開発は海洋生物の生活環境を壊し、台風や高潮などで沿岸の都市を危険にさらす可能性がある」と述べた。サンゴ礁は、サンゴが分泌する炭酸カルシウムで海面下に形成され、マングローブは熱帯・亜熱帯の塩水沿岸域に生育する。いずれも、台風などの高波や暴風に耐え、沿岸の被害減少に役立っている。アメリカなど一部の国では、こうした環境を守る法律が制定されている。また、中国では、山東省の沿岸都市・青島で、市が沿岸海洋生態系を保護するため、沖合いで事業をする企業や工業団地について汚染物質排出を検査した例があるという。「海の平和」会議は、「海洋、気候変動及び持続可能な開発に関する国際会議:海洋と沿岸都市の課題」をタイトルに掲げ、中国の国家海洋局、国際海洋研究所(IOI)、ユネスコの政府間海洋学委員会(UNESCO/IOC)が開催した。