タイのバンコクで開催されていた国連気候変動枠組条約の作業部会会合は、カンクン合意の具体化に向けた話し合いが進まないまま2011年4月8日に閉幕した。同条約のフィゲレス事務局長によると、「先進国の大半はカンクン合意の実施を支持したが、途上国は、京都議定書の延長問題などカンクン合意に含まれなかった課題の解決を強く求めた」といい、その調整のために、2007年のバリ行動計画の中で未達成の作業およびカンクン合意の明確化が必要になった。また、バンコク会合では、カンクン合意に基づき、先進国の削減目標とその達成条件に関するワークショップ、途上国の緩和策及びそのために必要な支援の水準に関するワークショップ、技術的メカニズムに関する専門ワークショップが開催された。フィゲレス事務局長は、「2011年12月に南アフリカのダーバンで開催されるCOP17に向けて解決を要する諸国間の意見の相違は大きい」が、「2012年に第1約束期間が終了する京都議定書の延長に関して、2011年中の政治的決着を求める声も強い」と話している。