欧州委員会は、CO2排出削減・エネルギー効率化を製品の設計段階で織り込む環境配慮設計(エコデザイン)指令に関し、指令に準じた全面国内法化の報告がないチェコとドイツに対して、これを要請する理由書付き意見書の送付を決定した。2カ月以内に要請に従わない場合、欧州委員会は欧州裁判所へ提訴することができる。また、チェコの国内法の適用範囲が、同指令が定める「エネルギー関連製品」とされていないことも判明した。エネルギーを使用するすべての製品はその製造から廃棄までの間に環境に影響を与え続けるが、その環境影響の80%以上は製品設計段階で決まる。EUは2020年までに温室効果ガスを20%削減することを目標としており、その達成には設計段階での環境配慮が重要である。2005年のエコデザイン指令は製品設計に要求される配慮事項を定めたもので、2009年にはその適用範囲を、直接にエネルギーを使用しなくとも電力消費量に大きく関わる製品も含め「エネルギー関連製品」に拡大する改訂を行っている。