フランス環境・エネルギー管理庁(ADEME)は、住宅のエネルギー管理に関し、1万世帯を対象に実施した調査の結果を公表した。ADEMEはこの調査を毎年実施しているが、2012年版(調査実施は2011年)では、経済・財政困難の中での、住宅のエネルギー効率についての国民の意識や省エネ改修の状況等を調査した。その結果、1)厳しい経済状況を反映し、家庭での関心は環境問題より失業など社会経済問題の方が高かった。回答者が懸念するとした問題で、「環境汚染」は「社会の不公平」を下回った。2)エネルギーコスト削減を懸念事項に挙げた世帯は81%に上った。ただし、省エネ意欲は強いものの、その動機は環境改善よりエネルギーコスト削減の必要から生じている。3)省エネ改修の実施状況は、情報や財政支援の低下もあり停滞した。政府の住宅エネルギー性能診断(DPE)を受けた世帯は微増したが実際の施工増にはつながらず、税額控除や省エネ改修用無利子融資の実績も減少したという。