(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、同機構の産業技術研究助成事業の一環として、横浜国立大学の准教授落合秀樹氏が、ユビキタス&低炭素社会の実現に寄与する高効率な無線送信技術を開発したと発表した。今日、無線通信のディジタル変調方式において、高い周波数利用効率と高い電力利用効率の両立が求められている。しかし、周波数利用効率を上げると発生する高いピーク電力が増幅の際に制限されることで、平均電力を落とさなければならず、電力利用効率の劣化や発熱の問題から、その両立が困難とされてきた。そこで本研究では、増幅する前にピーク電力を落とし、誤り訂正符号を用いて信号に冗長度(自由度)を与える手法(トレリスシェイピング技術)に着目し、符号の選び方を工夫することによりピーク電力を下げ、高い周波数利用効率を維持したまま、これまでの10%~30%低い消費電力での無線通信の実現に成功した。