(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、同機構の産業技術研究助成事業の一環として、秋田県立大学システム科学技術学部助教の熊谷誠治氏が、もみ殻由来の高機能活性炭の開発に成功したと発表した。これにより、従来のヤシ殻系活性炭では除去の難しかった、燃料油中の硫黄化合物を効率的に除去できるため、灯油を用いた家庭用燃料電池の普及に向けた貢献が期待される。また、軽油の低硫黄化による自動車排出ガスのクリーン化や、食品・医薬品の精製過程における不純物除去などへの展開も可能という。今回開発された活性炭は、(株)ジャパンエナジーとの共同研究の成果であり、もみ殻に天然に含まれるシリカを細孔骨格とし、安全性の高い糖類を細孔発達および成形性向上に利用。これにより幅2~50nmのメソ孔の容積が大きくなり、幅2nm未満のマイクロ孔を主体とする従来のヤシ殻系活性炭と比べて、分子量の大きい不純物を除去できる。