環境省は、平成25年度海洋環境モニタリング調査結果を公表した。同調査は、日本周辺海域における水質、底質、海洋生物の汚染状況、底生生物群集の個体数、浮遊プラスチック類漂流物の量等について調査し、海洋の汚染状況を把握することを目的としている。同調査は、日本周辺の海域を8年程度で一巡する計画となっており、今回は、1)陸域起源の汚染を対象とした調査:沖縄本島南西沖の測線、2)廃棄物等の海洋投入処分による汚染を対象とした調査:沖縄本島南西沖の投入処分海域とその対照点、3)追加分析調査:大阪沿岸から沖合にのびる測線、紀伊半島・四国沖で行った。その結果、堆積物中のダイオキシン類及びポリ塩化ビフェニルの濃度が、過去の調査と比較すると高い値を示したが、いずれも国の基準値を下回っていた。また、底生生物群集は、対照点よりも投入処分海域で個体数が少なくなっていたが、堆積物中の鉛の濃度が投入処分海域と対照点で概ね同程度の値であったことから、この個体数の差は海洋投入処分による影響によるものではないと考えられるという。