自然科学研究機構分子科学研究所の平本昌宏教授らの研究グループは、有機半導体に不純物を極微量加えるドーピングと呼ばれる操作の効率を100%にすることに成功したと発表。シリコンに代表される無機半導体は、ドーピングによって自由自在にn型化(電子が電気伝導を担う)、p型化(ホールが電気伝導を担う)することができ、その際、加えた不純物の個数に対する発生した電子の個数、すなわち、ドーピング効率は100%であることが知られている。一方、有機半導体のドーピング効率は10%以下で、仮に不純物を10個加えても、そのうちの1個にしか電子を発生させることができなかった。今回研究グループでは、有機半導体共蒸着膜においてドーピング効率が100%に達することを発見し、この現象を「ドーピング増感効果」と命名した。これは、有機半導体でも、加えた不純物10個のすべてが電子を発生し、無機半導体と同じ効率100%でドーピングができるようになったことを意味しており、高性能の有機太陽電池や有機デバイス作製の基盤となる技術であるという。
情報源 |
自然科学研究機構 分子科学研究所 プレスリリース
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機関 | 自然科学研究機構 分子科学研究所 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 自然科学研究機構 | 分子科学研究所 | 有機太陽電池 | p型 | n型 | 共蒸着膜 | ドーピング | 有機半導体 |
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