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 分子研など、人工光合成の実現に向けた酸素発生触媒を開発

発表日:2016.02.12


  自然科学研究機構分子科学研究所と総合研究大学院大学は、植物の光合成よりも高い効率で水から酸素を発生する鉄錯体(酸素発生触媒)の開発に成功したと発表した。持続可能なエネルギー循環システムの構築に向けて、太陽光のエネルギーを貯蔵可能な化学エネルギーへと変換する人工光合成技術が高い関心を集めている。実現の障害となっていたのは、水の分解による酸素発生反応の効率の低さである。水に光を当てるだけでは、酸素は発生しないため、水の分解を手助けして酸素を効率よく発生させる触媒の開発が大きな課題であった。今回開発した触媒は、植物の光合成で酸素発生触媒の役割を持つたんぱく質複合体の中に存在する錯体の構造に注目し、その機能を人工的に模倣して、鉄イオンと有機分子を組み合わせた鉄錯体。この鉄錯体は触媒として高い酸素発生速度と高い耐久性を示し、植物の光合成よりも良好な触媒性能を持つことが分かった。この成果は、人工光合成技術の実現に向けた大きな一歩で、エネルギーや環境問題の解決に貢献することが期待されるという。

情報源 自然科学研究機構 分子科学研究所 プレスリリース
総合研究大学院大学 プレスリリース
科学技術振興機構(JST) 共同発表
機関 自然科学研究機構 分子科学研究所 総合研究大学院大学
分野 地球環境
キーワード 触媒 | 酸素 | 植物 | 耐久性 | 自然科学研究機構 | 分子科学研究所 | 人工光合成 | 水分解 | 総合研究大学院大学
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