自然科学研究機構分子科学研究所の唯 美津木准教授らの研究グループは、白金-コバルト合金触媒が燃料電池の陽極で反応するしくみを、リアルタイムで捉えることに成功したと発表した。昨今、家庭用燃料電池(エネファーム)の普及や燃料電池自動車等の実用化が進められる中、燃料電池における発電性能の向上、高価な白金触媒の劣化対策、および白金使用量の低減などが求められている。今回、研究グループでは、燃料電池の陽極触媒として、白金よりも発電性能や劣化耐久性に優れる白金-コバルト合金触媒に着目。大型放射光施設SPring-8で開発された高速時間分解XAFS法を用いて、燃料電池をオンにした際の同触媒の構造変化や反応のしくみを、500ミリ秒毎に捉えることに初めて取り組んだ。その結果、同触媒では、通常の白金触媒に比べて白金の還元反応が3倍以上速く進行し、触媒の劣化が抑制されることがわかった。今回の成果は、白金使用量を減らし触媒劣化を抑制する、新しい白金合金系触媒の開発や燃料電池制御システムの開発につながることが期待されるという。
情報源 |
自然科学研究機構 分子科学研究所 プレスリリース
SPring8 プレスリリース |
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機関 | 自然科学研究機構 分子科学研究所 (公財)高輝度光科学研究センター |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 燃料電池 | SPring-8 | 白金 | 触媒 | エネファーム | 劣化 | コバルト | 自然科学研究機構 | 分子科学研究所 | 還元 |
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