農林水産省と環境省は、栽培用ワタ種子に遺伝子組換えワタ種子が混入していることが判明したと発表した。日本では、遺伝子組換え農作物について、その系統ごとにカルタへナ法等に基づき、食品・飼料としての安全性や生物多様性への影響について科学的な評価を行い、問題がない場合に初めて、食品や飼料としての利用、輸入、運搬、栽培等の使用を承認している。今回、農林水産省における検査法の開発の過程で、栽培用に輸入されたワタ種子を分析したところ、遺伝子組換えワタ種子が混入していることが判明した。同種子は、日本において、既に食品や飼料としての利用、輸入、運搬等については承認済みであるが、カルタヘナ法に基づく栽培の申請がなされていないため、栽培は認められていない。現在流通段階にある種子は、種苗会社に対し回収を指導するとともに、これまでに販売された商品名を公表している。なお、同種子は、仮に栽培されたとしても、日本国内の生物多様性への影響が生ずるおそれはないという。