(独)理化学研究所は、コケ植物の光化学系Ⅰ複合体の集光アンテナ調節機構を解明したと発表した。植物などの光合成生物が環境変化にどのように適応してきたのかを調べれば、今後予想される環境変化に耐え得る植物の開発につながるとされている。集光アンテナ調節機構は、光合成反応に関わる光化学系の反応効率を高めるため、集光アンテナタンパク質が光エネルギーの供給量を調節しているもの。今回、コケ植物「ヒメツリガネゴケ」のチコライド膜を解析した結果、陸上植物型と緑藻型の2種類の光化学系Ⅰ複合体が存在していた。また、Lhcb9と呼ばれる集光アンテナタンパク質は、緑藻型光化学系Ⅰ複合体の形成に重要であること、緑藻の祖先から水平伝播によって元となる遺伝子を獲得していたことが示唆された。これらの結果から、Lhcb9が、緑藻型と陸上植物型の2つの光化学系Ⅰ複合体を持つことを可能にしたと考えられる。また、それによって、コケ植物が陸上へと進出する際に起こりうる環境変化に対して有利に働いていたことも考えられるという。
情報源 |
(独)理化学研究所 プレスリリース
(独)理化学研究所 60秒でわかるプレスリリース (独)科学技術振興機構(JST) 共同発表 |
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機関 | (独)理化学研究所 (独)科学技術振興機構(JST) |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 理化学研究所 | コケ植物 | 光合成 | タンパク質 | 緑藻 | 集光 | 環境変化 | 光化学系 | 陸上植物 |
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