(株)矢野経済研究所は、自動車排熱利用技術動向に関する調査結果を発表した(調査期間:2015年3月~5月)。新たな自動車の燃費改善技術として、排気熱回収、蓄熱、ランキンサイクル等のエネルギー変換技術といった自動車の排熱を利用した技術が注目されている。今回の調査は、自動車排熱利用の技術動向について俯瞰し、今後の実用化を展望したもの。これによると、自動車での排熱回収は、排気熱回収器、蓄熱技術(顕熱・潜熱)による実用化実績がある。排気熱回収器は、2015年時点で主にハイブリッド車(HEV)に採用されており、今後もHEVを中心に採用が拡大していく可能性がある。蓄熱技術に関しては、より高温での蓄熱や、高い蓄熱密度という点で化学蓄熱が有望視されている。さらに、自動車における熱電発電は、自動車メーカーなど関連各社で開発が進められており、200~300W程度の電力回収で、市街地走行における燃費改善効果は3~5%を達成できるという。