森林総合研究所は、森林土壌から放出・吸収される温室効果ガス(二酸化炭素CO2およびメタンCH4)を大規模かつ迅速に測定する革新的な分析手法を開発した。――森林土壌は、炭素の吸収源であると同時に、微生物活動によりCO2を放出し、またCH4を吸収する重要な役割を担っている。これらのガス動態を正確に把握することは、気候変動対策の基盤となる。
従来、CO2やCH4の測定には「ガスクロマトグラフ法」と「ガスアナライザー法」が用いられてきたが、前者は広域観測に適する一方で分析に時間がかかり、後者は迅速な分析が可能だが大規模観測には不向きという課題があった。今回、同研究所は両手法の利点を融合し、現場で採取したガスを真空ボトルに保存し、実験室でガスアナライザーにより分析する新手法を確立した。この手法により、分析時間は従来の約1/7に短縮され、直線性・反復性・頑強性の3指標において高い精度が確認された。特に、少量のガス試料でも安定した測定が可能であり、従来法と同等以上の性能を示した。これにより、森林土壌における温室効果ガスの動態を、より広範囲かつ高頻度で観測することが可能となった。
研究グループは、本手法の活用により、環境変化が森林土壌のガス動態に与える影響をより正確に把握できるとし、気候変動研究の高度化と政策立案への貢献が期待されると訴求している。
情報源 |
森林総合研究所 プレスリリース
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機関 | 森林総合研究所 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 二酸化炭素 | 観測技術 | 温室効果ガス | メタン | 炭素循環 | 環境モニタリング | 土壌呼吸 | 気候変動対策 | 森林土壌 | ガス分析 |
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