産業技術総合研究所は、サマリウム-鉄-窒素(Sm-Fe-N)系磁石粉末を、磁石性能を低下させることなく異方性焼結磁石とする製造技術を開発したと発表した。高性能永久磁石は、ハイブリッド車やエコ家電のコア技術である高効率モーターの鍵となる材料。現在、最強の磁石とされるネオジム-鉄-ホウ素(Nd-Fe-B)焼結磁石は、重希土類元素であるジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)を添加することで耐熱性が改善されているが、これらの重希土類元素の使用量低減が求められている。今回、Sm-Fe-N系磁石粉末を焼結すると保磁力が激減する原因が、粉末表面の酸素にあることを実証し、粉末作製から焼結までの一連のプロセスを低酸素化したSm-Fe-N焼結磁石のプロセスを新たに開発した。これにより、保磁力を保ったままSm2Fe17N3の異方性焼結磁石を作製できた。この焼結磁石は耐熱性に優れることから、ハイブリッド自動車用駆動モーターなどの高温環境下ではNd-Fe-B焼結磁石を超える磁石性能を発揮できると期待されるという。
情報源 |
産業技術総合研究所 研究成果
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機関 | 産業技術総合研究所 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 産業技術総合研究所 | 耐熱性 | 磁石 | ジスプロシウム | ネオジム磁石 | サマリウム | 重希土類 | 保持力 |
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