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 産総研、天然高分子のキトサンを素材とした柔軟で透明な断熱材を開発

発表日:2015.11.09


  産業技術総合研究所は、天然高分子のキトサンを素材とした柔軟で透明な高性能断熱材を開発したと発表した。近年、エネルギー消費量を抑制するために積層ガラスや真空断熱窓などの技術が新築の住宅を中心に利用されているが、既存の住宅や自動車への適用には課題が多い。また、他の用途でも冷暖房のエネルギー消費量を抑制しうる材料として、透明性と断熱性、柔軟性をあわせ持つ材料が望まれている。透明性と断熱性をあわせ持つ材料に、超低密度のシリカゲル(シリカエアロゲル)があるが、柔軟性を持たず非常に脆く割れやすい材料であるため、加工性や機械的強度に問題があり、窓用の断熱材として広く普及するには至っていない。今回開発した断熱材は、直径5~10nmの微細なキトサン繊維が三次元的に均一に絡み合った構造をしており、既存の透明断熱材であるシリカエアロゲルに近い透明性と断熱性に加えて、シリカエアロゲルにはない柔軟性をあわせ持ったもの。既存住宅の窓を高断熱化する断熱シートや、自動車の窓の断熱層などへの応用が期待されるという。

情報源 産業技術総合研究所 研究成果
機関 産業技術総合研究所
分野 地球環境
キーワード 住宅 | 産業技術総合研究所 | 断熱材 | 断熱性 | 透明性 | 柔軟性 | エネルギー消費量 | シリカエアロゲル | キトサン
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