産業技術総合研究所は、日本バイリーン(株)と連携し、銅置換体プルシアンブルーを使った不織布カートリッジを開発したと発表した。現在の福島県近傍の海水中の溶存態放射性セシウム(Cs)は1Lあたり0.01Bq未満と極めて低い。そのため、海水中の濃度測定には、20~100Lの水を、6時間~数日程度かけて、水中の懸濁物質の除去や、リンモリブデン酸アンモニウム共沈法等を用いて溶存態放射性Csを濃縮するといった前処理が必要であった。今回開発したカートリッジは、海水でも高い回収率を示し、毎分0.5Lで海水を通過させると90%以上の溶存態放射性Csを回収できる。その結果、20Lの海水中に含まれる放射性Csを僅か40分で濃縮でき、前処理時間を大幅に短縮できる。また、淡水中の放射性Csの回収性能も、従来型の亜鉛置換体プルシアンブルーを使った不織布カートリッジを大きく上回る性能を示す。同技術の活用により、海水中の放射性Cs濃度の測定、さらには長期的な環境への影響評価に大きく貢献することが期待されるという。
情報源 |
産業技術総合研究所 研究成果
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機関 | 産業技術総合研究所 日本バイリーン(株) |
分野 |
健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | モニタリング | 産業技術総合研究所 | 海水 | 環境影響評価 | 銅 | 放射性セシウム | プルシアンブルー | カートリッジ | 日本バイリーン |
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