東北大学は、バイオマスの前処理に泡の圧潰衝撃力を活用することで、超音波よりも処理効率を20倍以上向上できることを実証したと発表した。非可食の稲わらや廃木材などのセルロース系バイオマスはセルロースやリグニンから成り、セルロースは酵素による加水分解により単糖を経て燃料に、リグニンは化成品に有効利用できる。しかしながら、セルロース系バイオマスのセルロースは、リグニンによって覆われており、強固な結晶構造を有するため、リグニンを除去し、結晶構造を破壊する「前処理」が必要不可欠であった。今回研究グループでは、「前処理」に、超音波の代わりに流れ場を用いて発生させたキャビテーション(流動キャビテーション)を用いることにより処理効率を20倍以上向上できることを実証した。この成果は、様々な化学反応プロセスに有効利用できる可能性があり、環境負荷を低減したグリーンケミストリーに貢献できる可能性があるという。