名古屋大学は、同大学大学院生命農学研究科の福島和彦教授らを中心とする研究グループが、木質バイオマスに存在するリグニンの化学構造を顕微鏡レベルで可視化する新たな分析技術を開発したと発表した。木質バイオマスは、化石燃料に替わる再生可能エネルギーの一つとして期待されているほか、循環型社会の基盤となるマテリアル(材料)原料としても注目されている。木質バイオマス利用のカギを握っているのは、15~30%程度含まれているリグニンの有効利用であるが、そのために欠かせないリグニンの化学構造分析には、これまで高度な技術を有する煩雑な実験操作が必要であった。今回、研究グループは、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)を用いて、植物の主要成分であるリグニンの化学構造を可視化する、簡便かつ正確な分析技術を開発した。同技術により、化学的な処理を行うことなく、どのようなリグニン構造が細胞のどこに存在するのかを一度に解析することが可能となった。同技術は今後、バイオエタノールや紙パルプ生産などにおけるバイオマス評価分析法として活用されることが期待されるという。
情報源 |
名古屋大学 研究教育成果情報(PDF)
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機関 | 名古屋大学 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 再生可能エネルギー | バイオエタノール | 循環型社会 | バイオマス | 名古屋大学 | 木質バイオマス | リグニン | 化石資源 | 化学構造 |
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