京都大学は、東京大学、神戸大学と共同で、半自然草地性絶滅危惧植物の保全に好適な草刈り時期を解明したと発表した。半自然草地の維持には草刈りや火入れなど人間による手入れが必要不可欠であるが、これまでどの時期に草刈りを行えば半自然草地性植物の保全に好適なのかを体系的に示した研究例は少なく、また遺伝的多様性に与える影響についてはほとんど知見がなかった。今回研究グループでは、半自然草地性絶滅危惧植物であるスズサイコを材料に、近畿地方及び東海地方から草刈り時期の異なる生育地15か所選定し、繁殖成功及び遺伝的多様性を比較した。その結果、スズサイコの開花結実期(7月から9月)の草刈りは果実数および遺伝的多様性を減少させる一方で、冬季から春季の草刈りは果実数を増加させることを明らかにした。スズサイコのように夏から秋にかけて開花結実を行う草地性絶滅危惧植物種は数多いため、今回の研究の成果は多くの草地性絶滅危惧種の保全に応用できる可能性が高く、保全上極めて大きな意義を持つという。
情報源 |
京都大学 研究成果
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機関 | 京都大学 東京大学 神戸大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 東京大学 | 京都大学 | 絶滅危惧種 | 植物 | 草地 | 保全 | 半自然地域 | スズサイコ |
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